【閉館決定】瑞浪市「地球回廊」とはどんな所?

地球回廊は、岐阜県瑞浪市にある全長240mの地下ミュージアムです。
竹下政権のふるさと創生事業交付金の一部を基に1993年に建設され、約5億6千万円がここに投じられました。

なぜ地下にあるのかといいますと、この施設は第二次世界大戦の1945年に航空機製造の疎開工場として掘られた地下壕だからです。
その地下壕を活用して作られたのが地球回廊です。

地球の誕生から生命の歴史を大型模型やパネルによる展示で紹介されています。
耐用年数30年を2022年に迎える地球回廊ですが今現在、壁面の剥がれ・展示物の落下、消防設備の劣化、展示内容の古さなどの問題が発生しています。
これらを改修するには多額の資金が必要になります。

こうしたことから地球回廊は令和3年(2021年)3月31日をもって閉館することとなりました。

ではここからは地球回廊の内部について簡単にご紹介していきます!
瑞浪市民公園の看板
地球回廊は瑞浪市民公園の中にある施設の一つです。
公園の中には「化石博物館」「美術館」「陶磁資料館」などが入っています。
地球回廊の正面の写真
右側が入口、左側が出口です。
入口の窓口で入場券を購入して入ります。
入館料は ・大人:200円、・高校生以下:無料 です。
地球回廊 光のトンネル
まずは「光のトンネル」をくぐっていきます。
アーチ状のカラフルな光はこのままで、足元の白い光が奥へ奥へ動いていきます。
やや大きめの、神秘的なようで気味悪いともいえる音楽が流れています。

「地球史を飾った生物たち」のパネルには恐竜たちがたくさん描かれています。

地球回廊 地球の誕生
次は「地球の誕生」ゾーンへ。
地球は一体どうやって誕生したのだろうか?という生物が誕生する前の歴史を解説しています。
ここにはセンサーが人に反応して音を流しており、隕石が飛び交い衝突しているとみられる音が鳴り響きます。結構な重低音はかなり怖い印象を持ちました。

そのせいでか、パネルに書かれている内容を読んでもすぐに理解ができません。学校の教室で自分の周りで友達が大きな声でおしゃべりしている時に、読んでいる本の内容が頭に入ってこない状況と同じかんじです。

それから私の後から入ってきた親子もやはり怖かったようで、泣きかけながらここを通って行きました。
ヤフー検索で「地球回廊」と検索するとサジェストの3番目に「地球回廊 怖い」と出てくるぐらいですからね。
古代の海は生命を宿した
次は「古代の海は生命を宿した」です。
地球が誕生し、海ができてそこにはじめての生命が誕生するところを解説しています。
青いライトで海の中のようです。
今とは姿が全然違う生物の絵を見ていると、これはどんな生活をしていたんだろう?どうやって動いていたんだろう?と気になってきます。
地球回廊の故障中の展示物
故障中の展示物をすぎて、道の突き当りを左に曲がると次は「生命の陸上への進出」です。
生命の陸上への進出
海のなかで生きていた生物の一部はついに陸に上がって生活するようになります。
ここではまるで地面の中を通っているかのように思えてきます。通路の両隣からは根っこが突き出てきています。
壁面にご注意くださいの案内もあります。

ぼーっと歩いているとぶつかってしまいます。
恐竜の楽園
その奥は「恐竜の楽園」の展示です。
恐竜時代にどんな恐竜がいたのかがよく分かります。

もちろんパネル展示はありますが、大型模型も置いてあり驚きます。(上の写真)
この模型の恐竜は「ディプロドクス」で全長27メートルの恐竜なんだそうです。
*骨格模型の大きさは23m。
尾でバランスをとって後肢で立ち、長い首を伸ばしてほかの草食動物が食べれないような高い所にある葉を食べていた恐竜です。
地球回廊のパネル展示
時がたって展示のパネルも古くなってきているので、シールを使ってカバーしています。
この模型の恐竜の足の下をくぐるようにして奥に進みます。
息づく恐竜トリケラトプス
次は「息づく恐竜トリケラトプス」の展示です。
これは少し距離を置いて見る立体展示物ですが、人が近づくと赤いライトが光り、首が動く仕掛けとなっています。

次は「激変した地球」です。
生きていた恐竜は一度絶滅してしまいます。
なぜ絶滅したのか?地球に何が起こっていたのか?を解説しています。

デスモスチルスのジオラマ
次の曲がり角にあるのが「デスモスチルスのジオラマ」です。
スイッチを押すと解説が聞こえてきます。

デスモスチルスは約1,700万年前にいきていた大型哺乳類で、明治31年に瑞浪市内で世界で初めて頭骨が発見されています。

解説を読んでいて驚きましたが瑞浪は昔、「海」だったそうです。
1900万年~1800万年前は浅い海が広がっており、1800万年~1600万年前は深い海になったようです。なのでこの辺りでは貝の化石が見つかっています。

そのデスモスチルスは近年の研究で海で生活する哺乳類だったことが分かってきています。
ちなみに館内外にオレンジ色の恐竜のキャラクターがいましたがこちらは瑞浪市のスポーツ文化課キャラクターで「デスモくん」といいます。
地球回廊の外観とデスモくん
(↑地球回廊の外観)
デスモスチルスがモデルになっているみたいですね。

次は「ほ乳類そして人類の時代へ」の展示へ入ります。
通路左右のパネルを見ながら、我々の祖先(哺乳類)がどのように生きてきたのかを学びます。
ここを出ると道が二手に分かれています。
日本列島ひとまたぎ
真っ直ぐに進むと「日本列島ひとまたぎ」というところで、地下のことについて学びます。
地下空間を現在日本ではどのように使っているのか?を知り地下深くから取ってきた岩を見ることが出きます。
ハイビジョンスぺ―ス
折り返して分かれていた道を右に曲がった方へ行くと、「ハイビジョンスぺ―ス」です。
大きなスクリーンで映像と音声を座って楽しむことができるスペースです。
見終わって奥へ進むと、出口の明かりが見えています。
生きている地球
最後の展示は「生きている地球」です。
人間によって引き起こされた地球環境問題について考えるところです。
地球に恩返しをするために人間はなにができるでしょうか?…
地球回廊の展示のパネル
これで全ての展示を見終えました。
軽く見て回るぐらいだと15~20分くらい、展示の内容すべてをしっかり見て回るのであれば50分ほど時間を確保してもらうと良いかもしれません。
そしてここは光の入らない場所です。常にひんやりしていますので、寒さの対策をしていくのがいいです。
閉館後の施設ですが、市は戦争遺跡としての利用も検討しているとのことです。
昨年度(2019年)末までに98万5395人の来場がありました。
瑞浪市民公園
外には広場や遊具がありますので、子どもと外遊びもできます。
時間が空いたならば、閉館前に訪れてみてはどうですか?

●地球回廊●
📍岐阜県瑞浪市明世町戸狩67-1
アクセス: 車→ 中央自動車道瑞浪インターより3分
      鉄道→ JR中央本線瑞浪駅より徒歩30分、またはタクシー5分
*駐車場有
入館料:大人 200円 *高校生以下無料
休館日:毎週月曜日 *月曜日が祝日の場合は、翌日が休館日)
開館時間: 9:00~17:00
瑞浪市民公園のアクセス
↑画像出典:瑞浪市公式ホームページ 地球回廊より